以前、チックタックでなぜ加速ができるのかを、力学的に解明しました。
そしてチックタックはマスターした(と思い込んだ)ので、次の段階として、エンドウォーク、エンドオーバー、ドックウォークの練習を始めました。
特に基本のエンドウォークを、YouTubeで動画を見て真似をしていたのですが、ここでまたもや大きな壁にぶつかったのです。
エンドウォークの壁
YouTubeで見る上手い人のエンドウォークは、実にヌルヌルしています。
ところが、どんなに頑張っても、ガチャン、ガチャンとロボットのようにしか進まないのです。
左右の交互の動きが繋がらないという悩みに、上手い人が答える動画も見ました。
「先行動作を意識すると毎回途切れてしまうが、慣れると上半身を正面に向けたままボードだけ振れるようになり、滑らかになる」と言っています。
これはまさにチックタックと同じなので、「なるほどそうか!」と頑張るのですが、やっぱりなんか違うのです。
もちろん最初は180度振ること自体が難しいしのですが、何とかそれができるようになり、そこそこのスピードで左右を交互に振れるようにもなりました。
それで、ヨシヨシ上手くなったと思って滑りを撮影し、愕然としたわけです。
なんじゃこのガチャン、ガチャンは、と。
そうなんです。動きはつながっていなくはないのですが、なんだかバタバタしているし、ヨッコイショ感が全く消えていないのです。
なぜなんだ、とネットを検索しまくっても、誰も答えをくれません。
でも、ある動画で気づいたのです。
上手な人は、初心者向けの説明で、180度振っていなくても、それどころか90度ぐらいしか振っていなくても、何だかヌルヌルしているのです。
さらに、これも初心者向けの説明で、1回1回つなげずに左右交互に途切れ途切れに振っていても、何故だかヌルヌルしているのです。
んん?????
これは、何か根本的なミスを犯しているのではないのか?
ということで、上手い人だけでなく、そこそこの人の動画も片っ端から見て、コマ送りで秘密をさぐっていたのです。
ヌルヌルの秘訣
その結果、遂にその違いを発見してしまったのです!!!
そして、根本的にスケボーの基本中の基本を誤っていたのではないか、ということに気付いたのです。
いやこれは、スケボーの基本というよりは常識なんだと思います。
常識だから、上手い人にとっては当たり前すぎて、下手な人がそこを間違っていると気づくこともなく、だから誰も解説してくれないのではないかと思ったのです。
その違いは何かというと、
ターンの時に上下動してはいけない
ということです。
初心者の頃は、ターンのきっかけが欲しくて、上半身を上下に動かしてしまいがちです。というか私がそうでした。
チックタックの時に、ターンが終わったらギューッと踏み込むという話を書きました。その間、腰がグッと下がります。
ところがターンに入る時には、その踏み込みを解放しなければなりません。
その際に体を伸ばしてしまうと、腰が上に浮いてしまって棒立ちになります。
ターンが終わるとまたギューッと踏み込んで腰が下がります。
これを繰り返すと、上半身が上がったり下がったり、上下動を繰り返します。
これがヌルヌルしない、最大の原因だったのです。
逆に言うと、
上下動しないことがヌルヌルの秘訣
だったのです。
上下動しないということは、棒立ちのままか、腰を落としたままか、どちらかです。
当然棒立ちではダメなので、腰を落としたままで、上体を固定したまま膝の動きだけでターンしなければなりません。
これを伝えたくて、CG動画を作ってみました。
左はNG、右がOKです。
どうでしょうか。分かってもらえるでしょうか。
NGの方は、ちょっと上下動を強調しています。
CGだとなかなかガチャガチャ感が出ず、構滑らかになってしまっていますが、実際には上下動の影響で腕もバタバタして、とての醜い動きになります。
修正の結果
これに気付いて修正すると、一瞬のうちに手の内に入った感じがしました。
ただ、下半身だけでターンするのは難しいです。
すぐにへっぴり腰になるし、また初心者に戻ってしまいました。
簡単には身に付かないです。まだまだ遠い道のりです。
でも「これだ!」という感覚は確実に得られました。
その証拠に、ウィールを地面に擦る動きが突然できるようになったのです。
実はこれもずっと不思議に思っていました。
上手い人は、ウィールをあまり上げずにターンして、ザーッと、地面に擦りつける動きをいとも簡単にやっています。
この感覚が分からず、上手くなったら分かるんだろうなと、漠然と思っていました。
でも、上下動をしないターンをしたら、突然これができるようになったのです。
考えてみたら当たり前で、体が上下動していたら、板がガチャン、ガチャンと着地するので、擦りつけるなんてできるはずがありません。
ということで全てが氷解しました。
しかも、この感覚でチックタックをしてみると、何とこれまでより明らかに加速するようになったのです。
最初に「チックタックはマスターした(と思い込んだ)」と書いたのはこのことで、特に上手い人が1回目のターンでいきなり加速するのが、どうしても真似できなかったのです。
でもその手応えも得られました。
つまりこれは、エンドウォークのコツではなく、
スケボーの基本、常識
だったのです。たぶんw
なので、是非みなさんも試してみてください。