これまで2回に分けで、チックタックの原理を説明してきました。
ネットではあまり見かけない説明だったと思います。
特に1回目のボードを振る本当に意味は、私は見たことがありません。
だとすると、ネットの上級者の方々の解説は間違っているのでしょうか?
いえいえ、そんなことはありません。
むしろほとんど合っています。
だって、超上手い方々の言うことですから。
では、なぜ初心者にはしっくりこないのでしょうか。
それは、できるようにならないと分からないことが多いからなのです。
ではこの後、ひとつずつ説明します。
これは前回も書きましたが、よく見かける説明です。
加速する原理ではないですが、動きとしては正解です。
でも意識してできることではありません。
第2回に書いたポイント通りにすると、自然にできるようになります。
また、ボードを振るというより、ターンするイメージだと気づきます。
この感覚が分かるようになれば、大前進です。
この説明もよく出てきます。
これは先ほどのターンする話と関連します。
ターンするということは、ボードの向きが変わるだけではありません。
向きを変えながら、前に進みます。
なので、体重を真横にずらすだけだと取り残されます
重心を斜め前にずらすと、戻したい位置に落ち着きます。
でも、これも意識する必要はありません。
親指やかかとの内側に力を入れれば、自然にそうなるからです。
体が前に倒れようとするので、自然に斜め前に重心がずれます。
これは、力学的にはちょっと違います。
でも感覚的には遠心力ーー!ていう雰囲気はあります。
あくまで感覚の話とすれば、合っているといえます。
その上で、何が違うかということを書きます。
まず、ここではターンが円運動だと仮定します。
円運動するためには、回転中心に向かう向心力が働きます。
同時に、向心力と逆方向に遠心力が働きます。
そして、向心力と遠心力により、等速円運動が維持できます。
ここで、等速というのは同じスピードで動くという意味です。
そうです、遠心力で円運動はしますが、加速はしないのです。
加速するには円の接線方向に力を加える必要があります。
それが、ボードを前に押し出す力です。
ということなのですが、普通の人からすると屁理屈ですね。
誤解しなければ、これも正しいです。
バランスを崩してボードがすっ飛ぶことがありますよね。
特に初心者のころ。
体を残して(あるいは転倒して)、ボードだけ飛んでいくアレです。
その時のボードの勢いはスゴイですよね。
ターンしながら、気を許すとすっ飛んでいきそうな感覚はあります。
なので、その力を使っているイメージはあります。
ただ、すっ飛ぶ感覚は不安定です。
むしろ、それを抑えて安定させる感覚の方が大事だと思います。
そのために、後足の内側で踏ん張ってノーズの浮きを抑えるのです。
上手くなると、ノーズはほとんど上がらなくなります。
それでも加速します。
なので、ノーズが上がるのが良いということではないのです。
先行動作とは、ターンしながら逆方向に上半身を捻る動きです。
右にターンしながら、上半身を左に捻ります。
左にターンしながら、上半身を右に捻ります。
そうすると、ボードを振り終えたらすぐに捻った力が解放されます。
そして、逆方向にボードが勝手に動き始めます。
大袈裟なぐらいに先行動作を入れるとボードの振りが楽になります。
でも、先行動作と、無理やりボードを振るのとは紙一重です。
完成形では、上半身は進行方向を向いたままです。
そして、ボードだけ左右に回してターンします。
こうすると、毎回、勝手に捻る状態になります。
なので、先行動作はほとんど意識していません。
意識するとしたら、上半身を常に進行方向に向けることです。
先行動作を取り入れる場合は、頼りすぎないよう注意しましょう。
<その1>の私の動画では、上半身はあまり動いていません。
ただ、腕を左右に大きく振りすぎているように思います。
これは先行動作がちょっと大きいということになります。
登り坂とはいえ、もっと余裕のある感じで乗りたいですね。
以上です。どうでしょうか。
いろんな解説のモヤモヤが解消されていることに期待しています。
- 追記 -
私は左足が前のレギュラースタンスですが、ここで書いたことがどれだけ役に立つか確かめたいと思いました。
そこで、初心者の気持ちに立ち返り、右足が前のグーフィースタンスでチックタックの練習を始めました。
結果、とても大変ですwww
<その1>に書いた「前に進む」はできます。
でも<その2>の「加速」はやはり難しいです。
慣れないスタンスだからか、怖くて全然できません。
利き足ってあるんだなあと痛感する日々です。