けんべぇだぁ

スケボー初級者の物理屋だから書けるチックタックの力学<その2>加速するコツ

さあ今回はチックタックの力学の第2回目です。

前回は、なぜボードを左右に振るかを説明しました。

ボードを前に進めた後に、後ろに下がった重心を元に戻すためでした。

 

ただ、それだけでは毎回前に進んでは止まってしまいます。

ぜんぜん加速しないし、面白くないです。

ではどうすれば止まらずに進むのでしょうか。

 

加速するためのポイント

ターンが滑らかにつながれば加速します。

こんな風に・・・

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ん? は何だ? は? は?

それは後で説明するので今は気にしないでください。

 

では、改めて、どうやったら進み続けるのか。

その答えは・・・

実は理屈は同じで、タイミングの問題なのです。

前回、以下を順番にすれば前に進むと書きました。

 ①ボードを前に出す

 ②重心を横にずらす

 ③ボードを振って、重心を戻す

これを順番にではなく、同時に行うのです。

ボードを前に出しながら、重心を横にずらし、しかもボードを振るのです。

そうすると、ボードを振った後も前に進み続けます。

 

ですが、3つのことを同時に行うのは簡単ではありません。

やっているつもりでも、なかなか加速してくれません。

 

1点集中で加速する!

そこで、意識することを変えます。

 

 ①後足の母指球に体重を乗せて、ボードを前に出す

 ②後足のかかとの内側に体重を乗せて、ボードを前に出す

 

この2つを交互に繰り返すのです。

意識することは2つだけです。

しかも同時にではなく交互なので、常に1つに集中できます。

 

母指球に力を入れると、自然に体がつま先側に倒れます。

そして、自然にボードがつま先側に回転します。

 

かかとに力を入れると、自然に体がかかと側に倒れます。

そして、自然にボードがかかと側に回転します。

 

こうすることで、同時に意識することが1つになるのです。

 

さらに、これを意識すると、あることが分かってきます。

板を振るというよりは、ターンするイメージだということです。

ターンをするということは、滑らかに向きを変えるということです。

滑らかに向きを変えるから進み続けるのです。

でもターンすることを意識する必要はありません。

意識しなくても、あ、これだ、というのが自然に分かってきます。

 

以上をふまえて、最初のアニメーションに解説を付けます。

最初だけは、動き始めるきっかけとして体重移動します。

でも、あとは先ほど書いた2つを繰り返すだけです。

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は体重をかける位置です。

はターンの軌跡です。

そして、に注目してください。

これは重心の移動です。

進行方向にまっすぐ進んでいます。

そうです。上半身はほぼ動かずに、ボードが左右にターンするのです。

うまくできるようになると、このような動きになります。

でも、これも意識する必要はなく、自然にそうなります。

 

また、体重をかける位置に注意してください。

つま先やかかとではありません。

母指球かかとの内側というのが非常に重要なのです。

 

初心者の頃は、ノーズが上がると、前足で押さえつけがちです。

でもそうではなく、後足の内側(進行方向)に力を入れて抑えるのです。

内股にするイメージです。

こうすると、格段にバランスを崩しにくくなります。

 

さらに加速するコツ

あと、もう一つ付け加えるとしたら、これです。

 ・重心を低くする

重心が低いと、左右にボードを振れる範囲が増えます。

より加速できるだけでなく、安定感も増します。

これは意識しないと、自然にはできません。

 

以上がチックタックの秘密です。

これを実践すれば、あなたもきっと加速できます!!

 

ということで、これで全てなのですが、まだ終わりではありません。

超絶上手い方々の解説が何を意味するのか気になりますよね。

 

ということで、次回、特別編として、そのあたりを解説したいと思います。